【スタッフ体験談】vol.1 家出した冬の夜
b-labスタッフにも、悩める青春があった。
ということで、不定期にスタッフの体験記をアップしていきます。
記念すべき1回目のテーマは、家出!
b-lab館長はくちゃんと、ふーちゃんの体験を紹介していきます。
まずは、はくちゃんの体験から。
【はくちゃん、独りの夜】
高校2年生の冬。
はくちゃんは、ままならない思いを抱えていた。
勉強をがんばらなきゃいけない、というプレッシャー。
登山部の部長として、自由奔放な部員に振りまわされる苛立ち。
パンパンにふくらんだ気持ちが爆発したのが、この夜だった。
きっかけは、妹とのささいなケンカだった。
頭に血がのぼったはくちゃんは、勢いに任せてどなった。
「ふざけんじゃねー! 出て行く!」
止めようとしたお母さんの手をバンッ!とはねのけ、自転車にまたがる。
財布に入っていたのは、3000円ほど。
とりあえず、コンビニに入り、カップ麺をすすった。
考えたのは、これからのこと。
ホテルに泊まるほど金はない。
雨風がしのげて、暖がとれる場所はどこだろう……。
思いついたのは、登山部の部室。
部室にはシュラフ、バーナーなど、泊まるのに困らない道具が揃っている!
はくちゃんは夜の学校に忍び込み、部室の鍵を開けて中に入った。
クライミング用のマットを敷いてベッドにし、寝袋に入る。
(これなら余裕で眠れる)
ほっとしたその時、外にちらちらと明かりが見えた。
(なんだ? 警備の巡回か?)
どんどん明かりが近づいてくる。
はくちゃんが息を殺していると、
ガチャガチャッ!
ドアが開いた。
入ってきたのは、はくちゃんのお父さん!
「どうした?」
お父さんに聞かれて、はくちゃんはむすっと答えた。
「今日は帰らない」
「そうか……」
そう言うと、お父さんはあっさり帰っていった。
そのまま、はくちゃんは部室に一泊し、
翌日、何事もなかったように学校でテストを受けた。
そして放課後。
この日の部活動メニューは、クライミング。壁に登るトレーニングだ。
ところが、クライミングの道具は家にある。
はくちゃんは道具を取るため、気まずいながらも家に帰った。
こうして、はくちゃんの家出は終わった。
同時に、はくちゃんの青春期、唯一の反抗も終わった。
ーーーー
はくちゃんは言う。
「振り返るとあの時、家出をする前にできたことはあった。
もっと親と話せばよかったし、
ままならない気持ちを話せる相手がいたら、
家出をせずとも、すっきりしたかもしれない。
色んな事を自分でなんとかしなきゃと抱え込んでしまいがちだった。
あんまりため込まず、吐き出せることが重要だぁと、今は思います」
これを読んでくれたみなさん。
ままならない気持ちがふくらんできたら、
b-labスタッフに話してみては?
ふーちゃんの家出体験は、次回。
お楽しみにー!
【文責 ありさん】