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ビーラボブログ

June

19

Wednesday
AM 10:00

【小説サークル】リレー小説紹介①天才&毒舌な怪盗の話

b-labに「小説サークル」があるのは知っていますか?

普段はメンバーが好きなテーマで小説を書き、お互いにはげましあって

一つの作品を完成させたり、ときには賞に応募したりしています。

 

6月2日に開催されたサークル新歓まつりでは、

ほかの中高生にも小説を書く楽しさを体験してもらえるように「リレー小説」を実施しました。

 

 

小説サークルメンバーが舞台設定を考え、書き出しの1文目だけが書かれた未完成の小説。

 

そこにみんなが少しずつ書き足して物語が広がっていきます。

思いもよらない形で展開するストーリーにわくわく、どきどき。

 

このシリーズでは、そこで生まれた小説たちを紹介します。

 

ただ、この小説たちはまだ未完成…。

続きが気になったら、b-labに書きに来てくださいね。

 

第1弾は天才で毒舌な怪盗が遭遇した、不思議なお話です。

 

天才で毒舌な怪盗が美術館から絵画を盗むも、それが元から贋作であることがわかり…


 

『先日の事件』に関して、さっきからテレビがおかしなことを言っている。

 

 

セキュリティも万全な美術館から、絶対に盗まれるはずのない絵画が盗まれた。

犯人の正体は不明。

 

 

それだけのニュースのはずだった。

なぜなら、犯人は私で、あの日の仕事も完璧にこなしたのだから。

 

 

正体不明の犯人に大騒ぎするだけのニュース…。

それを想像していたのに、テレビの様子がおかしい。

 

 

『しかし、盗まれた絵画は贋作であり、実際の被害は大きくないということで…』

 

 

「へ?」

私は思わず間抜けな声を出した。そして、慌ててキッチンへと向かう。

 

 

キッチンの食洗器を開け、底板を外すと、そこには4桁のダイヤル。

それを『3150(最高)』に合わせると、後ろの棚でガチャっと音がした。

 

 

棚を開けると、そこには先日盗んだ絵画 ―例の絵画である― がある。

私はそれを取り出してまじまじと眺めた。

 

 

バカな、これが贋作なわけがない、私の目は確かなのだから…ハッ。

私は見つけてしまった。絵の右下、ほんとうによく見ないと分からないところに、何か書いてある。

 

 

『これはがんさくだよ~ん』

 

 

「…スーッ」

私は大きく息を吸った。落ち着け、私は完璧な怪盗なのだ。

 

 

いつだって完璧だった…のに、はじめて、それも完全にだまされた。

 

 

「どんな人間にも、失敗はあるものだよ」

ふいに、師匠の言葉を思い出した。

 

 

師匠。

格好よく、多くを語らず、でも完璧な怪盗だった。

 

 

そうだ、師匠、師匠だ。

私は台所を出ると、ベッド脇のコートを手にとる。

ついでに、師匠の唯一の著書も、そのポケットに入れた。

 

 

次の仕事が見つかった。

この失態を失態にせず、計画していた以上の出来にするための、最高の仕事だ。

 

 

目指すは、あの美術館。

このコートを羽織って、今度こそ本物を手に入れて見せる。

 

 

深夜、厳重に巡らされた非常線を交わし、私は遂に本物が眠る倉庫の前にたどりついた。

 

 

あんなふざけたメッセージを残すのは“あの狐目”しかいないだろう。

 

 

・・・

 

 


いま書かれているのはここまで。

 

“狐目”とはいったい誰なのか…。

怪盗は果たして本物の絵画を見つけられるのか…。

 

この物語の続きが気になったら、あなた自身の手で紡いでみませんか?

 

ちょっとだけ、1文だけでも大丈夫。

自由に物語をつくってみるのは、楽しいですよ!

気軽にスタッフに声をかけてみてね!

 

(文責:さかP)

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