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ビーラボブログ

March

26

Thursday
PM 1:08

【地域インタビュー前編】「人とつながり、世界が広がる~まちの大人に会いに行く~」

自分が住むまちや、よく利用する地域には、どんな人がいるんだろう?

 

地域インタビュー企画では、b-labから外にでて、地域で活動している方にインタビューをし、その人の活動や想いや関わり方にふれていきます。

 

今回は、根津駅の近くにあるジェラート屋「SLOW GELATO in bulk」専属の地域コーディネーター楠本美央さん(みおさん)にお話を伺いました。

 

インタビュアーは、中学生ゆうなと、スタッフしぃちゃん。

カメラマンは、b-labカメラサークルの中学生です。

 

 

 

 

 みおさんは何をしてるひと?

 

 

ゆうな みおさんはどんな活動をしているんですか?

 

みおさん 今は、小学校の講師をしながら、ジェラート屋「SLOW GELATO in bulk」専属の地域コーディネーターをしています。

 


地域の人が集う場をつくりたいなと思って、このジェラート屋さんの定休日を利用して「水曜日の軒先」という活動をしているので、最近は地域コーディネーターというより、“水曜日の軒先をやってる人”と思ってくれてる人が多いかな。

 

お店の「地域コーディネーター」という肩書きを持って、もう3年ほどになるんだけど、水曜日の活動だけに限らず、すぐ近くの小学校のこども放課後教室と連携したこともあります。

 

例えば、夏休みには、こどもたちと一緒にアイスキャンディの味を考えて、それを実際に通りのイベントでこのお店で販売する、といった企画もありました。こうした取り組みは「水曜日の軒先」だけの活動ではなく、お店全体として関わっているものです。

 

そのほかにも、台東区の社会福祉施設とお店をつないだこともあります。

 

もともと自転車で地域を巡るのが好きであちこち動き回るタイプだから、地域コーディネーターとしての名刺を持ちながら、「ここで何か一緒にできそう」と思う場所や人と、お店をつなげていくような役割をしています。

 

 

一方で、週4日は小学校の先生もしています。

 

 

なので、「どんな人ですか?」と聞かれたら、先生をしながらジェラート屋でいろいろなことをやっている人、という感じですね。

 

 

 

 

 

ゆうな ジェラート屋さんをきっかけに、地域の人たちやこどもたちが出会う場をつくってるんですね。「水曜日の軒先」は具体的にどんなことをしてるんですか?

 

 

みおさん 毎週、軒先を開いてドリンクを提供したり、イベントを企画しています


例えば、「おしゃべり会 with baies」は月に1回、赤ちゃんを育てているママやパパが安心して話ができる環境つくりをしています。

 

他にも、近くに住んでいるこどもたちがふらりと立ち寄れるまちのだがしやさんをしたり、b-labのみんなが来てくれたときは一緒にフリーコーヒーをやったよね。

 

 

                   
                   

 

 

なぜ地域コーディネーターをやってるの?

                   
                   

ゆうな 小学校の講師をしながら、なぜ、この活動も始めようと思ったんですか?

 

 

みおさん 小学校の教員になってすぐに、「ワークショップデザイナー」の講座を受けて、体験的な学びのおもしろさを知ったんですよね。
そこで知り合った学びを探求するおもしろい大人たちをこどもたちに出会わせたくなったんです。休みの日に体育館を使って親子でワークショップをやったら楽しそうだなとか。

 

 

ただ、こどもが生まれて子育てしながら働くようになると、時間の制約もあり、これまでのように自由に企画を続けることが難しくなったんですよね。
同時に、子育てを通して地域とのつながりの大切さを感じたんです。

 


それだったら、「いっそのこと立場を変えて、小学校の非常勤講師になって、地域で活動する方が自由に動けたり、色々できることがあるかもしれない」って思ったんです。

 

 

ちょうどその頃、ママ友のともこさんがこのジェラート屋「SLOW GELATO in bulk」をオープンして、「なにか一緒にやろうよ」と言ってくれたのがこの活動がはじまったきっかけです。

 

 

ゆうな 「地域コーディネーター」といったら、学校で一緒に移動教室に行ってくれたり、読み聞かせとかしてくれる教育ボランティアのような人だと思ってたんですが、学校の先生と、地域での活動を両立してるんですね。



みおさん そうですね。学校では家庭科の先生、地域ではジェラート屋の地域コーディネーター、関係するところもあるけど別の仕事としてやってますね。

 

 

 

 

 

しぃちゃん 地域コーディネーターのおもしろさや、やりがいはどんなところですか?

 

 

みおさん おもしろさは、インタビューしてもらってることも含めて「今ここで起きていること」そのものにあるなと感じています。

 

小学校で働いていたときは、中学生と一緒に軒先でフリーコーヒーをやるなんて、正直まったく想像していませんでした。学校の中で同じことをやろうとすると、いろいろなルールやハードルがあって、実現するのは難しいと思います。

 

でも、まちの一角でやるからこそ、いろんな世代の人と自然に関わることができて、コラボも生まれやすいんですよね。

 

店主のともこさんが「それおもしろそうだね、やってみよう」と背中を押してくれることもあって、テンポよくいろんな人とつながったり、新しい組み合わせが生まれたりする。

 

その“化学反応”を楽しめるのが、この活動のおもしろさですね。

 

学校での活動も、学年みんなでワークショップをやったことも楽しかったけど、今の活動はそれとはまた違って、自由度の高さが大きな魅力だと感じています。

 

 

 

 

しぃちゃん 逆に、難しいところはありますか?



みおさん 難しさでいうと、「誰かにとって居心地がいい場が、別の誰かにとっては入りにくくなること」かな。

たとえば午前中は、赤ちゃん連れのお母さんたちが来て、おしゃべりしながら悩みを話したり、笑い合ったりする時間が生まれています。それはすごくいい場なんですが、その分、赤ちゃん連れじゃない人は入りにくくなってしまう面もあるかもしれないですよね。

 

だから、時間帯やテーマを変えて、違う人が来られる場もつくるようにしています。
「語学について話す会」をやったときは、これまで来ていなかった人が来てくれたり、いつも来ている近所のお母さんの意外な一面が見えたり。

 

切り取り方を変えると、出会う人や起きることも変わるんだなと感じました。

 

 

 

 

もう一つは、自分自身についての気づきがあってー。

小学校の教員としてこどもたちと関わってきましたが、教員という肩書なしで地域に出て自由になってみると、「自分は思っていたほどこどもと積極的に関わるタイプではないのかもしれない」と感じることもありました。

 

それは少し悔しさもありますが、「じゃあ自分はどんな関わり方ができるのか」を考えるきっかけにもなりましたね。

 

こどもだけじゃなくて、いろいろな世代の人と関わることが増えていくことで、こどもたちを見守る目が少しでもやさしくなっていったらいいなと思います。

 

そういう形で、地域の中からこどもたちに関わっていくことも、ひとつの教育なのかなと感じていますね。

 

                   
                   

 

大切にしてること

 

しぃちゃん みおさんは、大切にしてることとして3つあると事前に聞いたんですが、具体的に伺ってもいいですか?

 

 

みおさん 大切にしたいと思ってることは、

「街の中に小さな非日常をつくる」
「教育という言葉を使わず人と関わる」
「誰にでもあいさつができる関係性を育む」 
です。

 


「街の中に小さな非日常をつくる」というのは、
たとえばb-labの中高生がフリーコーヒーを開催してくれたときにもあらわれてて。

 

「水曜日の軒先」の午前中は、ママたちが集まるのが日常の風景になりつつあるんですが、夕方に中学生がフリーコーヒーをやるだけで、立ち止まる人が全然変わるんですよね。

 

お店を知ってて来る人だけじゃなくて、「フリーコーヒーどうですか?」と声をかけられて、思わず立ち止まる人もいる。そうやって、これまで出会わなかった人同士が出会う瞬間が生まれる。

 

たまたま通りかかった大人が中学生に「なんでこんなことやってるの?」と聞いて、一生懸命答えている姿があったりして。

 

いつものまちの中に、少しだけ特別な時間が生まれるその感じがすごく好きなんですよ。
そういう場の中で、「この人、こんなこと考えてるんだ」とか、「何かできることがあるかも」と思えるような、小さな変化が生まれたらいいなと思っています。

 

 

 

「教育という言葉を使わない」というのは、過去の経験から来ています。

教育関係者だけでなく「教育×地域」に関心のあるすべての方を対象に、定期的に意見交換をするコミュニティEdcamp TAITO」を立ち上げたんです。
コロナ禍で困ってる親御さんやこどもたちが多い中、「台東区の教育についてみんなで考えよう!」と旗をあげたんですが、そこに集まるのはもともと教育に関心のある人たちが中心で、話し合いはできても、実際の変化にはなかなかつながりにくいと感じたんですよね。

 

一方で、こういう日常の場では「教育について話そう」としなくても、たまたまここに集まった人たちと話す中でその人のひととなりを知ったり、自然とこどもたちを見守る関係が生まれていくんですよね。

 

その積み重ねが、「地域の人も味方なんだ」とか、「みんなでこどもを見ているんだ」という感覚につながっていくなと感じたんです。

 

だからこそ、あえて「教育」という言葉を前に出さずに、人と人が関わる場をつくることを大切にしたいなと思ったんです。

 

 

「誰にでもあいさつができる関係性」は、
会話をしなくても「こんにちは」、「おかえり」だけでも言い合えたらいいなと思います。いきなり声をかけられるのも驚いてしまう人もいるから人それぞれだけど、「あなたのこと知ってるよ」と安心を与えれると思うのでわたしは大切にしたいかな。

 

 

しぃちゃん b-labでも雑談してるときが一番盛り上がるし化学反応起こるのでめっちゃわかります!

 

 


 

▶後編へ続く

 

実際に、“まちとつながる”とは、どういうことなんでしょうか?

後編では、顔見知りが増えることで生まれる安心感や、中高生が地域と関わるヒントについて聞いてみました。

おたのしみに!

 

 

(文責:しぃちゃん)

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