b-labスタッフにも、悩める青春があった。
ということで、不定期にスタッフの体験記をアップしています。
今回のテーマは、失恋!
かじくんの体験を紹介します。
【尽くしている……と思っていた】
かじくんが中学3年生で好きになったのは、
女子グループで固まるというより、
ひとりで男子と話して盛り上がれるようなボーイッシュなタイプ。
サブカル好きで、かじくんと話が合った。
彼女は推薦で早くに進学する高校が決まっていたこともあり、
かじくんは受験勉強中も、よくメールでやりとりをしていた。
そうして会話を重ねるうち、
好きかも……という思いがふくらんでいった。
卒業式の日、互いに好きだという思いを打ち明け、つき合うことになった。
だが、高校は違うため、会えるのは土日だけ。
かじくんは、いつでも相手の相談にのって力になりたい、
できることはすべてやってあげたい、尽くしたい、と思っていた。
そこで、土日は会おうと彼女を誘い、
会えない時はメールや電話で会話した。
楽しく話し、仲良くやっていた
……つもりだった。
風向きが変わったのは、6月頃。
陸上部の彼女が出場する大会に友達と応援しに行った時のことだった。
彼女と一緒に帰って、話したい。
かじくんは、そう思っていた。
だが、かじくんが近づくと、彼女は苦い顔をした。
「今日は友達と話したいから、ごめんね」
彼女の表情からかじくんが感じとった気持ちは、
「ちょっと、うっとうしい」
拒否された、と感じた。
まもなく、彼女から電話があった。
「友達に戻ろう」
たしか、そんな言葉だったと思う。
理由は聞かなかった。
自分のそれまでのコミュニケーションが悪かったとは思わなかった。
見直そうなんてことは、一度も思わなかった。
かじくんが思ったのは、
きっと、彼女は部活に集中したくて、余裕がないんだろう……。
ということだけ。
彼女と高校が違ったのは、よかった。
おかげで、高校の友達には「ふられた」という話を冗談っぽく話して、
気を紛らわすことができた。
それから1年半ほどして、塾で彼女にばったり会った。
軽く挨拶を交わしたあと、彼女が言った。
「ほんとに申し訳ないと思ってるよ」
ボーイッシュな彼女らしい、さばけた言葉と笑顔に、かじくんはほっとした。
救われた気持ちになったのは、
どこかで自分に問題があったのでは? と引っ掛かっていたせいかもしれない。
自分に問題があったわけじゃなかったんだ。
自分がやったことは、まちがってなかったんだ。
尽くすことは正しいんだ!
こうして、かじくんの失恋は昇華した————。
— — —
「いや、お前(当時の自分)にもっと非があったやろ!」
振り返って、かじくんは言う。
「今になってみると、“尽くす”というのは一方的だな、と思う。
自分のほうが愛情が深いから、
相手の欲しているものを与えたい、
相手が自分を必要とする時は必ずそばにいたい、
と思ってきた。
けど、そういう尽くし方は、相手にとって重荷になることがある。
また、互いに依存する関係になってしまいがちでもある。
依存し合うより、協同するという方向に向けていくほうが大事なんじゃないかな、
と今は思う」
これを読んだみなさんは、
恋愛ってどういうものだと思いますか?
うきうきして、うれしいことがたくさんあるけれど、
精神的につらいことや、性の問題も関わってくる。
いろいろな情報が入ってきて、
迷ったり、あせったりすることもあるかもしれない。
恋愛は精神的に成長できる機会だけど、
その先の人生に関わることもあるから、
迷ったり困ったりした時は、
ひとりで抱えこまず、信頼できる大人に相談してほしい。
b-labスタッフは、みなさんの支えになりたいと思っています。
【文責:ありさん】