『文京彩集』は、普段、館内でしか手に取れないリーフレットだけど、
泣く泣く臨時休館になってしまった、この期間限定で、みんなにお届け…!
b-labが恋しい人も、少しでもb-lab気分を味わえますように。
そして、みんなが、家にいる時間もより楽しく過ごせますように。
臨時休館中の合言葉は、「開館までが楽しくなる!開館がより楽しみになる!」
★『文京彩集』とは・・・?
過去ブログより
文京彩集ついにリリース!
【文京彩集】文京区のステキなおとなたち
一般社団法人アルバ・エデュ 竹内明日香さん
『「好き」を原動力に!プレゼン授業を学校に!』
日本興業銀行(現みずほフィナンシャル・グループ)にて国際営業や審査に従事後、(株)アルバ・パートナーズを設立し、企業の海外事業や情報発信、中でも企業のプレゼンテーションを支援して現在に。このプレゼン力を子どものうちから鍛えるべく、2014年に一般社団法人アルバ・エデュを設立し、公教育にプレゼン授業やカリキュラムを導入、教員研修を提供している。授業を提供した数は1万8500人強。プレゼンに加え、3児の母である自身の体験や海外事例などをもとに働き方改革やコミュニケーションなどのテーマで大学や企業で講師を務める。経済産業省の第6回キャリア教育アワード優秀賞受賞。2018年日本財団ソーシャルイノベーターに選出。第一子の幼稚園時代のママパパ友と作ったアンサンブルが、「音羽の森オーケストラ ポコアポコ」と改称し、関口の東京カテドラル聖マリア大聖堂で演奏の機会を毎年いただく。今年で9年目。
「アルバ・エデュ」さんは文京区でどんな活動されているのですか?
文京区の幼稚園、小学校、中学校に赴き、「話すちから」を育む「出前授業」をしています。
次世代を担う子どもたちが、自分の意見や考えを堂々と論理的に表現・伝達できるようになることが、これからの日本にとって必要不可欠なことだと思っています。
子どもたちの「話すちから」を伸ばそうと思ったきっかけは何ですか?
10年ぐらい前から、仕事で、大人向けに、情報発信の手伝いや、プレゼンテーションの手伝いなどをしてきました。海外のあるプレゼン大会で、17か国の代表が参加する中、日本の代表が一番弱々しかったんですね。プレゼンの内容は素晴らしいのに、日本人には迫力とか、情熱とか、相手に伝えようという魂みたいなものが足りなくて。そういうのを間近で見たときに「このまま大人向けにやっていても、この国は手遅れになってしまうのではないか」という危機感を持って、そこから、子ども向けにやってみようということになりました。区の公民館を借りて、近所の子たちを集めて「発表するわよ!」と。(笑) 最初、子どもたちはみんなキョトンとしていたのですが、終わったときには良い顔をしているんですね。やってみて、わかったことは、人に向けて何かを表現、発信して、拍手されたり、相手に伝わったんだと感じるということは、子どもたちにとって、ものすごく大きな成功体験になるということでした。
竹内さんは「音羽の森オーケストラ ポコアポコ」という小中学生と大人が一緒に演奏するオーケストラも運営されているのですよね?
オーケストラも、子どもたちの成功体験になったらいいなという同様の発想からです。子どもたちが背伸びしながら、大人に混ざって一生懸命に演奏することで感じる「大人と一緒に弾けた!」という喜びが、また違う飛躍になるのではないかと思っています。いつ来てもいいし、「ゆるく、ゆるく」進めていますが、子どもたちの成長は目覚ましくて、多くの子がコンクールに出たりしています。
子どもたちみんなが「ここに来たら楽しい!」と思えることが一番だと思っています。もし学校に居場所がなかったとしても、こういうところに来て花を咲かせてくれればいいなと思います。
アルバ・エデュさんの活動も、ポコアポコさんの活動も、竹内さんの発想がきっかけに立ち上がっていますが、そういったアイデアが生まれたり、アクションに踏み出す力となった原体験は何ですか?
幼稚園から親の転勤でニュージーランドに行き、小学校4年生のころに、日本に帰ってきました。
その時に多くの違和感を感じました。この国では、どうしてみんながこんなに静かに黙々とルールを守るんだろう、とか。どうしてわかっているのに発言してはいけないのだろう、とか。まわりの空気を読まなければいけないのだろう、とか。小学校の先生の中には、子どもの心に理解のある先生もいらっしゃれば、強権的に子どもたちを決まりで押さえ込んでいくという先生もいらっしゃったので、その時に「日本人はこれでいいのか!?」と感じた感覚が今に繋がっていますね。
中高生時代も、ルールに反抗することを沢山していました。(笑) 学校でピザを取るとか。そのピザが間違えて同じ敷地内にある大学のほうに配達されてしまい、大騒ぎになったりとか。そういう反抗的なことはいっぱいしましたね。
ルールがあると、「本当にこれでいいのか!?」とまずは疑って、チャレンジしたくなってしまうのです。素直に大人の言うことを聞くのがすごく嫌でした。
今、自分の子どもたちに「なんでこんなに反抗的なんだろう…」と思ったりするのですが、自分がそうだったんですね。(笑)
今の活動をされていく中で、他の誰でもない、自分だからこそできていると感じられるキーポイントは何ですか?
子どものころから、祖母や父に「誰かのために何かをするということを考えなさい」とずっと言われ続けてきました。でも銀行で時間も忘れて働いていた11年間は、目の前のことだけで精一杯で、そんなことは考えられませんでした。
自分に子どもが生まれた時に、人生で初めて感じた喜びと共に、次の世代に自分は何ができるのかという使命感みたいなものを感じ、祖母や父に言われ続けた言葉や、幼少の頃から感じてきた問題意識が繋がって、今のアクションを起こすきっかけになったと思います。
次世代を担う若者たちが、「自分たちには、自分たちの手で自己効力感を感じながらイノベーションを起こしていく」そんな力があるのだと思えるような機会を提供していきたいと思っています。
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(文責:文京彩集チームえみまま・ゆきちゃん・よね)