February
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Tuesday
AM 10:47
【文京区・b-labより】心地よい場所は自分たちの手でつくる「all b-lab作戦カイギ」定期開催中
カタリバが運営するユースセンター「文京区青少年プラザb-lab」は、文京区に在住在勤在学の中高生世代なら誰でも利用できる場所です。
2015年の開館以来、延べ15万人が利用。”中高生の秘密基地”というコンセプトの下、中高生が主体性を発揮し興味関心を深める場、様々な同世代と繋がり協働する場となっています。
年間350日以上、午前9時~午後9時(感染対策で変動あり)まで開館し、コロナ禍といえども来館者が途絶えることはありませんでした。
新たな出会いも、意見の対立も
「協働する場」とはいえ、中高生とスタッフが毎日プロジェクトを進めているという訳ではなく、日常的には放課後に友達とのんびりおしゃべりできる居場所として親しまれています。
通う学校や住んでいるエリアが異なっている中高生が集まる場は、いい意味で「ごちゃまぜ」で様々な出会いが生まれます。
その面白さの一方で、様々な価値観・主張があり、談話スペース・音楽スタジオ・ホールなどの利用スタイルなどでも意見 が対立する場面が生まれます。
そこを調整して欲しいとスタッフに声がかかることもあるのですが、ここは「秘密基地」であり、「秘密基地」の主は中高生なのだから、自分たちで決めてみたら?と返したところから、自主的なルールメイキングの会議、「all b-lab作戦カイギ」が定期開催されるようになりました。
2021年の最終開館日12月28日にもall b-lab作戦カイギが開催されました。
いつもは自分の好きなことをしていていいはずの談話スペースですが、この時だけは「作戦カイギに参加しよう!」と声がかかります。
音楽が流れ、司会が前に立ち、スタッフやボランティアの大学生も一緒にテーブルを囲みます。
議題は、中高生から寄せられたテーマの中からタイムリーなものをピックアップ。この日のテーマは、「来年チャレンジしてみたいこと」でした。
「映画が観たい」「小説を完成させたい」といった個人的なことから「ゲームの大会を開催したい」「カラオケやろう」などb-labで誰かと一緒にやりたいことまでたくさんのアイデアが出ました。
そしてそこから、もっと具体的に企画書にまで落とし込むところまでやってしまう勢いのある流れ!
みんなが楽しく利用するために
司会のMくんは、中高生スタッフとして「all b-lab作戦カイギ」に取り組んでいます。
最初は友達と卓球がしたくてb-labを利用したけれど、スタッフや他の中高生たちと話す機会が増えるにつれて、「もっとみんなが楽しくb-labを利用できるようにしたい」という気持ちが強くなり、カイギの企画側として関わるようになったと言います。
「小学校のときは学校でも話し合いの時間がたくさんあったけれど、中学に入ってからは少なくなってしまった。b-labでの話し合いが楽しい」とMくん。
b-labの2021年は、コロナ禍での閉館や制限付き開館が長かった年でしたが、その間も「これからのb-labどうするの?」「b-labオンラインを盛り上げるためには」などをテーマに話し合ってきました。
また家庭用ゲーム機Switchの導入に際しても、b-labで過ごすみんなが納得できるルールとはどんなものだろう?と考えて、試行錯誤し、ルールづくりを進めました。
カイギ参加に「全員参加」は必要か?
主体的なルールメイキングが大切なことだったとしても、「全員参加」は、自由と主体性を謳う秘密基地にふさわしいか?という疑問も浮かびます。
カイギの開催をサポートするスタッフは「全員参加にすることで今まで運営やアイデア出しに興味があったけれど勇気が出ない、やり方がわからない、ということで参加できなかった層を巻き込めるのではと思っています。スタッフと強制的に話す場をつくることで生まれる意欲や主体性もあるのではないかなと考えています。ただ、もちろん葛藤はあるので、毎月やりながらやり方や巻き込み方・巻き込む範囲を工夫しています」と語ります。
b-labの願い
思えばb-labはこんな気持ちから始まっています。
【中高生たちがおそらく、日々のほとんどを「誰かの決めたもの」に多くの時間を使っていて、それはそれで大事だと分かった上で、自分の意志でその場を選び、まったく何もないところから、協力者や応援者含めて周囲を巻き込み、やりきるという経験ができたら・・・きっと、これからを生きていく自信や、次なるステージに向かえる勇気になるのではないか】
「ごちゃまぜ」で、多様な同世代とのかかわりの中で、自分と他者との折り合いをつけ、お互いに「心地よい」と思える場をつくる、その体験もまた彼らの自信や勇気に繋がっていることを願いつつ、毎日が続いています。
(文責:スタッフ森合)